「歯科の感染防止対策」についての
アンケート結果のご報告
私たち歯科プロジェクトチームは、歯科において『標準予防策』が100%実施されることを目指して活動しています。『標準予防策』とは、患者が感染者であるか否かを問わず、すべての人が感染の可能性を持つ前提で一律に器具を交換・滅菌等する対応のことです。標準予防策が徹底されると、感染予防のために患者がB型肝炎ウイルスに感染していることを告げる必要はなくなりますし、後ろ回しや診療拒否などの不当な対応をされることもなくなります。
昨年、原告の皆様にご協力をお願いした歯科受診に関するアンケートも、今後の活動のために、歯科での体験をお聞きしたものでした。このたび集計結果が出ましたので、結果をお伝えします。
内容の解説
アンケートを実施した結果、7030人もの原告の方々から回答をいただきました。ご協力いただき、ありがとうございました。
以下、集計結果の一部を抜粋してご紹介します。
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感染を知る前ですから、受診の際に歯科医に対して自分は感染者であると告げることはできません。感染者であると告げた人に対してだけ特別な感染対策を行う歯科医がいますが、そのような感染防止策がいかに無意味か、を如実に示しています。
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これだけ多くの方が、嫌な気持ちを抑えてまで、感染防止に役立つと考えて歯科医に感染の事実を伝えていることが分かります。しかし、そもそも『標準予防策』が徹底されていれば、このような悩みを抱くこと必要もありません。
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感染者であることを伝えた結果、診療拒否されたり、後ろ回しにされたりしている人が沢山いることが分かりました。『標準予防策』を徹底させるために国は2018年10月1日以降歯科医の診療報酬の基準を変更しましたが、そのあとにも後ろ回しや診療拒否を受けた人がいることが分かりました。現在も続いている問題です。なお、診療拒否は違法です。
自由記載欄について
自由記載欄には、さまざまな体験が載せられていました。固有名詞もあり、すべてはお見せできませんが、いくつか紹介します。
- 処置後は罵声とともに室内を消毒された
- 他の患者がいる前で「この人B肝だから気を付けて」と大声で言われた
- カルテに「B肝」とスタンプを押されている
- 私だけが映画「アウトブレイク」のようなシールド着用での治療だった
もちろん、他の方と変わりなく治療をしてくれた、という声もありました。しかし、記載の多くは、つらい体験として記載されていました。 詳細は、ぜひアンケートをご覧ください。